会社が嘘をつくとき(1)
戦略とは組織の行く末決定し社内外を導く、航海におけるコンパスのように重要な役割を果たします。
自社の社員に進む道を示し、社外の企業評価の材料となります。戦略を示し株主の理解も得ることで安いコストで活動資金を調達します。
関連企業との取引条件にも関わるでしょう。
しかし、その戦略について、企業は本音と建前を使い分けなければならない場合があります。
例えば衰退期にあるデパート産業。
経営方針発表会にて、「うちは斜陽産業なので前年比-5%に収められれば十分なんです」なんて正直には言えません。
三越伊勢丹と高島屋が前年比5%増を標榜すれば、大丸が示すべき数字は自ずと決まってくる。一社だけ本音で語ることは許されません。
そして「創発した」数字の理由づけのために、タテマエ上の企業戦略が出来上がっていくのです。
しかし、容易に想像出来るように、タテマエ戦略が存在することには危険が伴います。
自社の戦略について、社内でさえ表立って議論出来ないですし、戦略の背後にある各部門の考えを共有することが出来ないのです。
そして、いつしか社内でも誤解が生まれ、より悪い方へ転ぶこともあり得ます。
たとえば・・・
<つづく>